遠くへ行きたい
知らない街を歩いてみたい、どこか遠くへ行きたい、で始まる歌詞は素朴ですが、胸に来るものがあります。このメロディーを聴いていると、物悲しくて感傷的になります。何とも言えず侘しいですね。そして、旅情を誘います。
この曲は1962年、NHK総合テレビ番組「夢であいましょう」の中で「今月のうた(5月)」として作られたものです。作詞:永六輔、作曲:中村八大、歌唱:ジェリー藤尾で、その年の6月に発売され、大ヒットしました。(以降、敬称を略します。)
実は、昭和30年代に数々のヒット曲を生み出した作曲家の中村八大は、久留米とは深い縁があります。
中村八大は、父親の仕事の関係で、中国の青島(チンタオ)市で生まれましたが、終戦の年に両親の故郷である久留米に一家で引き揚げて来ました。
そして、彼は1945年1月から1949年3月までの4年間、久留米で生活しています。年齢で言うと、14歳から18歳の頃になります。青春の多感な時期を久留米で過ごしたことが、曲想にも影響していると言われています。
中村八大は地元の西日本新聞に、「戦中、戦後の混乱期であったことと、年齢的にいちばん感受性が強い思春期に久留米で育ったことで、やはり私の中の久留米は、私の内部で大きな地位をしめている」という回顧録を寄稿しています。
遠くへ行きたいはジェリー藤尾の歌も良いですが、たくさんの有名歌手がカバーしています。それぞれが個性的で、いろんなアレンジで歌い上げており、みんな素晴らしいです。誰が歌っても素晴らしいということは、すなわち名曲なのです。
年賀状
やっと、2023年の年賀状を仕上げて、先日郵便局の窓口へ持って行きました。取り敢えず、年末の仕事を一つ片づけました。
昔は、年賀状と言ったら手書きが主流でした。もっとも会社関係では、印刷会社に通信面を印刷してもらい、会社では宛名書きだけをしていましたが。
それが今では、パソコンとプリンターがあれば、好みのデザインで、宛名書き迄すべて簡単に作成できてしまいます。
宛名書きができるソフトを一つ導入しておけば、半永久的にスマートに宛名書きができます。通信面のデザインもインターネットから好きなものを選んで、無料ダウンロードして使用することができます。
とても便利になりましたが、一方でぬくもりが感じられなくなり、味気ないものになってしまいました。
私もここ2~3年は、手書き文字を添えることもなく手抜きしているなあ、と自戒していますが、仕上がりが綺麗すぎて、手書き文字を添えること自体が品質を落としてしまうような錯覚を覚えます。それだけ簡単に品質の良い年賀状が手軽に作れるようになったわけです。
功罪相半ばといった感じでしょうか。年賀状を出すだけまだまし、と自分に言い聞かせています。